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息をしているかぎり、人生はあるのよ

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美味しいコーヒーやビールを飲ませてくれるお店の方から借りた本を読了。

『私はガス室の「特殊任務」をしていた』

このお店、ヒトリ食事、ヒトリカフェが得意ではないワタクシがヒトリでブラリと入れる数少ないお店のヒトツ。オーナさんとたまにお話をすることがあるんだけど、その際に私がポーランドに行ったことがある旨をお話ししたら貸してくれた。

借りたのは先月なんだけど、本日、帰宅後に読み始めたらノンストップ。ゴハンも食べずに読みふける(途中ブラウニーを2コ食べた(笑))。内容は本を読んでいただくとして、この本の興味深いところが、インタビュー形式であるということ。翻訳者によるあとがきにも書いてあったんだけど、インタビュー形式ということで、自分からは言いにくいことも、質問の流れでより語りやすくなるといった内容。感情的にならず、淡々と語られていく「自分が"見たもの"、"見たこと"」。

ヘアカットのくだりや(博物館で唯一撮影禁止になっているのがカットされた髪の毛の展示室)、列車到着ランプ工事、チャンバー(焼却炉)、証拠隠滅のために壊された施設等、私がこの目で実際にアウシュヴィッツで見てきたことが語られていて。本を読んで、これほど心をつかまれる思いをしたのは初めて。

特筆すべきが、このインタビュアーが若い女性であるということ。インタビュアーは1980年生まれ。この本が出版されたのが2007年1月。インタビューはイタリア語で行われ、それを言語のニュアンスに近いフランス語に翻訳したものを本人にみていただき、物語の信憑性を損なわないようにしているとのこと。それを、日本語に翻訳したものを私が読んだわけで。

本編のあとに、背景や歴史等の解説もありで。これも非常に興味深い。断片的な知識がより深まった気がする。

なにがともあれ、この本を読むチャンスを与えてくださったオーナにKシマさんに大感謝。どうもありがとうございます。近いうちに返しに参ります。

「脚本なしの完全な事実は、はるかに悲惨で恐ろしい」(焼却棟の中庭に埋められていたメモより)。






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明日は映画の日。見たい映画、ことごとくヨガの時間とバッティング。どうしよう。
by ayumifukita | 2012-12-01 01:04 | 読欲 | Trackback | Comments(0)