TOKYOアイヌ
2013年 02月 04日
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この映画を作る上で、決めたルール。ナレーションは入れない、BGMは入れない、答えは用意しない。この映画は、アイヌが語る物語に深く耳を傾けるもの。ナレーションを入れて、さも分かったような解釈を見る者に押し付けない。感動的な音楽を付けて、さあここで感動しなさい、などと観る者を誘導しない。現実は単純なものでない。矛盾もあるし、かんたんに割り切れるものでもない。一人一人の中に、違った現実、解釈があっていい。その違いをそのまま受け入れることが、豊かな世界をつくりだしていく。そんな思いから、自ら縛ったルールでした。
『TOKYOアイヌ』 撮影・編集・監督 森谷博
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事情があって、上映後のディスカッションには参加できなかったんだけれども、無理して見に行ってよかった。アイヌの衣装が好きで、文化が気に入っていて、軽い気持ちで参加した上映会だったんだけど。
アイヌの文化が国の政策によって殺されかけていたこと、それを守ろうと戦っていたヒトがいたこと。それを知れただけでも。
彼らはアイヌ民族として、自分たちが「日本人」としてみとめてほしいんだとばかり思っていたのだけれども、それは私の大きな間違い。「さも分かったような解釈」をしていたのは私自身。何にもわかってなかった。
差別に関しては、私も外国生活でだいぶヒドイ目にあっていたわけだが、それはたったの2年間。たった2年間だったから耐えられたわけだけれども.......彼らの気持ちがわかるなだなんてクチが避けても言えない。そして、彼らは同じ日本人に差別されてきたのだから。
「言葉」というものの大切さ。アイヌ語の「こんにちわ」の「真」の意味に感涙。「文化」というものの大切さ。
「アイヌ」という言葉の意味は「人間」。
「アイヌ民族」のこと、もっともっと、知っていても良いと思う。もっともっと、知りたいと思う。
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トイレに行った先でアイヌ民族衣装をきた講師の方とバッタリ。衣装を触らせていただいたり、すこしおしゃべりしていただいたり。なんて、私はラッキーなんだ。
今回の修論は北海道の島民の生活史が題材なんだけど、折角なのでそれとは別にアイヌのことも勉強する予定だよ。
フィルムセンターでたまーにそういう特集やってるよね。
てか、アイヌに限らず、民族をテーマで研究するのって絶対楽しいと思うのよ!!!そういう点では沖縄とかも、まだまだ深いテーマが眠ってそうだよねえ。